動物から人に感染する病気 4
この2つの包虫が同じものなのか、あるいはちがった種類のものなのかは、その後約1世紀の間、科学者たちのあいだで論争がくり返されました。
そしてこの両者は、現在では、2つのちがった種類であることが明らかにされています。
さて、日本で包虫病の患者がはじめて発見されたのは、ある博士によれば、1881(明治14)年のことで、九州の熊本医学校(現在の熊本大学医学部)で発見されました。
これはエキノコックスのなかで単包虫と呼ばれる方です。
多包虫の日本での最初の発見は、1937(昭和12)年で、患者は北海道・礼文島出身の婦人です。
では、この単包虫と多包虫について、どのようなちがいがあるのか説明しておきましょう。
単包虫の親虫は単包条虫、幼虫は単包虫と呼ばれます。
親虫である成虫は、宿主動物の小腸に寄生します。
ところが、成虫自身はひじょうに小さい条虫で、長さは5~6mm、片節の数は数個です。
片節というのはつらなっている短いからだの節のことです。
成虫はこのように小さいので、多数寄生しても、成虫の寄生による障害はみとめられません。