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2010年09月 アーカイブ

動物から人に感染する病気 5

成虫が寄生する終宿主は、イヌ科のイヌ、キツネ、ディンゴ、ジャッカル、オオカミ、コヨーテ、ハイエナ、タヌキ、ジャコウネコ科のマングース、ネコ科のライオン、ヒョウ、イタチ科のなかの2種類などです。


ネコは含まれないようです。


これらの動物のうちで、人への感染を考えた場合、重要なのはイヌとキツネです。


中間宿主は、ひじょうに広範囲で、有蹄類、長鼻類、食肉類など60種以上が知られています。


これらのなかで、ウシ、メンヨウ、ブタなどの家畜が重要です。


イヌ、ネコが中間宿主として、単包虫に感染することもあります。


人とサル類は、単包虫にも、あとでお話する多包虫にも、両方に中間宿主として感染します。


単包虫の感染は、広く世界各地でみられています。


家畜(有蹄類)が主要な中間宿主ですから、牧畜の盛んな地域に多く、主としてイヌとメンヨウ、ウシのあいだで感染のサイクルが維持されています。


つまり、イヌが終宿主で、メンヨウやウシが中間宿主となっているわけです。


日本でも、単包虫の感染が家畜、人ともに知られています。


家畜については、北海道をはじめとして、各地で感染が確認されています。


日本ではじめて家畜の単包虫がみられたのは、1893(明治26)年で、九州のと畜場においてです。


感染動物は中国から輸入されたウシでした。


文献によると、その後1895(明治28)年に松山でウシから、1937(昭和12)年に東京でウシ、ウマ、ブタから、さらに1939(昭和14)年から1954(昭和29)年までに東京・芝浦でブタ4例、ウシ4例から検出されています。

動物から人に感染する病気 6

以上の各家畜については、これらが国内産のものか輸入されたものかは不明ですが、明らかな国内産の家畜での初発は、1954(昭和29)年、北海道においてメンヨウで確認されています。


その後、主として北海道で国内感染が発見されており、北海道以外では、すべて輸入家畜によるものと思われます。


人の感染は、これまでに約70例ほど知られています。


毎年あるいは2~3年ごとに、1~3人の患者が発見されます。


多いときは年に6~7人も発見されることがあります。


人の発生は、だいたいが西日本ですが、なかには国外での感染例も含まれています。


おもしろいというか奇妙なことに、日本でこれだけの幼虫の中間宿主感染が知られているのに、まだ成虫、すなわち親虫である単包条虫の感染は確認されていません。


多包虫の成虫である親虫は多包条虫、幼虫は多包虫と呼ばれ、成虫は単包条虫と同様に、宿主動物の小腸に寄生します。


大きさは、単包条虫と同じくらいで、これもひじょうに小さく、条虫の寄生による障害はありません。


成虫が寄生する終宿主は、イヌ科のホッキョクキツネ、キツネ、イヌ、オオカミ、コヨーテ、ネコ科のネコ、リビアネコなどです。


これらのなかで重要なのは、キツネとイヌです。

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