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2010年10月 アーカイブ

動物から人に感染する病気 7

中間宿主は、げっ歯類(ネズミ、リスなど)、食虫類など30種類以上が知られています。


これらのなかで1番重要なのは、ノネズミです。


人とサル類は、すでにお話したように、中間宿主として感染します。


世界における多包虫の発生は、だいたいが北半球にかぎられています。


日本での動物の多包虫感染は、主として北海道で、ノネズミ、とくにミカドネズミ、エゾヤチネズミで知られています。


日本の人の多包虫感染は、現在は北海道の道東が有名です。


以前は、礼文島で多数の患者の発生がみられました。


これまでの患者の合計は、200人を越えています。


東北地方で約30人、礼文島で127人、北海道道東で49人です。


疑似患者を含めると、患者は道東で約700人の多数にのぼります。


成虫(親虫)については、現在北海道で、イヌ、キツネ、ネコで確認されています。


成虫がはじめて発見されたのは、1953(昭和28)年のことで、青森県のイヌからです。


北海道での動物の成虫寄生率は、イヌで平均2・8%ですが、キツネでは平均23・9%とかなり高率です。


ネコは北海道の礼文島で1例のみです。


・・・以上のように、人とサル類は、単包虫、多包虫いずれにも中間宿主となり、包虫の感染を受けて包虫病を起こします。

動物から人に感染する病気 8

イヌは終宿主として成虫(親虫)の感染を受けるわけですが、成虫はひじょうに小さい条虫ですので、たとえそれが小腸に数千匹以上寄生しても、そのためにとくに障害が出るようなことはまずありません。


イヌ以外の家畜は、単包条虫の重要な中間宿主です。


したがって、幼虫である単包虫の感染を受け、包虫病になります。


これらの動物では、動物の種類によって、包虫の寄生する臓器の臓器別寄生率が異なります。


包虫の寄生する臓器は、肝臓と肺臓が主です。


ウシでは肝臓が30%・肺臓が70%、メンヨウでは肝臓が45%・肺臓が50%・その他が5%、ブタでは肝臓が70%・肺臓が20%・その他が10%、ウマでは肝臓が95%・肺臓が5%、となっています。


ヒトでは、単包虫の場合は肝臓がもっとも多くて70%、次が肺臓で8~9%、その他が20%くらいです。

なお、人は多包虫にも感染しますが、この場合も肝臓がもっとも多く、その他の臓器では肺臓、脳、脾臓、膵臓など種々の臓器で低率に感染が認められます。


包虫病変の大きさは、エンドウ大から幼児の頭大までいろいろあります。


幼児の頭大になるまでには、普通4年あるいはそれ以上の年月が必要です。


袋は弾力性があり、なかに透明かあるいは黄色を帯びた液が入っています。


液中には、将来成虫になる頭節が多数あります。


中間宿主は、包虫の発育、増大に伴い、臓器は圧迫されて障害を起こします。


また、虫体からの排せつ物によって障害が起こります。


しかし、家畜の場合は、このように内部臓器に障害が生じても、よほどひどくならないかぎり、一般状態に異常は認められません。

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