動物から人に感染する病気 8
イヌは終宿主として成虫(親虫)の感染を受けるわけですが、成虫はひじょうに小さい条虫ですので、たとえそれが小腸に数千匹以上寄生しても、そのためにとくに障害が出るようなことはまずありません。
イヌ以外の家畜は、単包条虫の重要な中間宿主です。
したがって、幼虫である単包虫の感染を受け、包虫病になります。
これらの動物では、動物の種類によって、包虫の寄生する臓器の臓器別寄生率が異なります。
包虫の寄生する臓器は、肝臓と肺臓が主です。
ウシでは肝臓が30%・肺臓が70%、メンヨウでは肝臓が45%・肺臓が50%・その他が5%、ブタでは肝臓が70%・肺臓が20%・その他が10%、ウマでは肝臓が95%・肺臓が5%、となっています。
ヒトでは、単包虫の場合は肝臓がもっとも多くて70%、次が肺臓で8~9%、その他が20%くらいです。
なお、人は多包虫にも感染しますが、この場合も肝臓がもっとも多く、その他の臓器では肺臓、脳、脾臓、膵臓など種々の臓器で低率に感染が認められます。
包虫病変の大きさは、エンドウ大から幼児の頭大までいろいろあります。
幼児の頭大になるまでには、普通4年あるいはそれ以上の年月が必要です。
袋は弾力性があり、なかに透明かあるいは黄色を帯びた液が入っています。
液中には、将来成虫になる頭節が多数あります。
中間宿主は、包虫の発育、増大に伴い、臓器は圧迫されて障害を起こします。
また、虫体からの排せつ物によって障害が起こります。
しかし、家畜の場合は、このように内部臓器に障害が生じても、よほどひどくならないかぎり、一般状態に異常は認められません。